機材の保守、調整をしっかり行い、末永くベストコンディションで使いましょう!^^
お約束ですが、分解、改造等は自己責任でお願いします。
■ビクセン VC200L ミラー清掃 (2008.1.2公開)
ナニを洗うかって、髪とかコンタクトレンズではありません。
VC200Lの汚い反射鏡を 洗います。
購入してからまだ1年と経っていないのにこの汚れ具合は
なんでしょう、、頻繁に使ってたからなぁ、、、
最近観測地で結露しやすくなったのも塵が大量に付着しているから
にちがいありません。
こころなしかコントラストも購入時 より落ちてきている気がします。
さっそく分解です。
分解するのは至って簡単です。
キャリーハンドルを分離し、アリガタレール
の主鏡セル側の2箇所のネジをゆるめます。
(なるほど、、 複鏡スパイダーの枠と主鏡セルはこれで強固に結合されてスタビ
ライザーのような意味合いもあるようです。
)
あとは鏡筒と主鏡セルを固定している3箇所のネジをゆるめると
ガボッと音をたてて勘合が外れるのがわかります。
そぉ〜っとバッフルを当てないように引き抜きます。
めちゃくちゃ汚れていました。>< 。
洗浄しますがいくつかポイントがあります。
まず絶対に 主鏡セル(外側の金属枠です)と、
バッフル(中央のでっぱった 筒。内部に補正光学系が入っています)を
分解したり、調整ネジをいじらないこと。
つまり外したこの状態のまま器用に洗浄する必要があります。
汚れは結構頑固で、ブロワ-で吹いたくらいでは塵は微動だにしません。
ニュートン反射と同じようにチビチビとだした水道でまずかるく
流します。
バッフルの中に水が入らないように気をつけて やります。 ううぅぅ、、、怖い 汚れはなかなか取れません。
かなり頑固です。 主鏡を水で軽く流した後中性洗剤を数滴そこへたらし、濡れたティッシュでなでるように 洗います。
ときおり水道をチビチビ流したりして洗浄。
数回くりかえしました。
をを!!この輝き!! すばらしい輝きが戻りました。
しかしここからが大切です。 このまま水滴が残ったまま乾燥させてしまうとシミができて
しまいます。
いわゆる「水きり」をしなければなりません。
水の表面張力を巧みにあやつり水滴をつなぎつつ残さない
ように傾け水を落としていきます。
が、、、普通の ニュートン反射のように綺麗にころがっていってくれません。
微妙な曲面(このミラーは6次曲面です)のせいか思わぬ
動きをします。
そこで勝利の鍵の登場です。 といってもニュートン鏡を日ごろ洗っている方ならオナジミですね。^^
薬局で買っておいた日本薬局方生成水。 蒸発しても残存物が残らないことを期待できます。
プチュゥゥーーっとかけながらながしていきます。
なんだか調子良く水がはけていきます。
そこそこうまく水が切れたら、そのままホコリがつかないような
角度で乾燥です。
暖かい季節でしたので翌日にはセルの内側もバッチリ乾いています。 シミはありません!^^
あとは逆に組み立てるだけです。 V社マーケティングの
親切な担当さんのアドバイスによると、
セルはそのまま 丁寧に元にもどせば、殆ど光軸は狂わない位、再現性のある加工精度
だからうまくすれば光軸調整も要らないかもしれません、、とのこと。
本当なのか、、、そのまま組付けてやります。
センタリングスコープ等がないので星で直接恒星を見て光軸を確認
するほかありません。 夜になったので星で試します。
正面の飾りふた(VISACと書いてあるところ)をめくると
裏に光軸調整ネジがかくされていますので、
その3箇所にアーレンキーレンチ(L型の6角レンチね)を
差込んで星をみます。
ピントをぼやかして(ピント内側&外側で)同心円に
なっているかをみます。
いろいろ倍率を変えても ばっちり揃っています。
アンタレスを視野にいれます。 まぶしい星みれば狂いも一発でわかるというものです。
んん!! まえはなんだかモヤモヤしていたのがぴったりと点!
続いて木星を見てみます。 !!!!こんなにシャープな木星はこのVC200Lでははじめて
(ではないでしょうが久しぶり) すごい回復です。
本当に光軸狂わないし、、、
かくして性能をとりもどしたVC200Lでした。
ありがとう、、ビクセンマーケティングの担当N様!
本来は清掃はメーカーに返送すること というのが大前提の鏡筒です。
自信のない方、メーカーさんに迷惑かけちゃいそうな心配がある方は迷わず最初からメーカーメンテに出してください。
完全にO/Hしても2万円台前半〜とのことですからとっても良心的な価格です。