機材の保守、調整をしっかり行い、末永くベストコンディションで使いましょう!^^
 お約束ですが、分解、改造等は自己責任でお願いします。


■ケンコー NEW KDS 76-700 をよく見える望遠鏡に改造する  (2010.12.25掲示板公開、2011.1.16当記事公開)


  野鳥撮影でデジスコされる方や、軽量小型でカメラ三脚に取り付け可能な経緯台を求める天文ファンから
 人気のあるケンコーNEW KDS経緯台。 このコンセプトは小型軽量なことと、カメラ用品メーカーらしく
 通常写真撮影も意識した設計でしょう。 そしてセットで組まれる望遠鏡も、屈折のほうなどかなり出来がよく
 長年天文趣味をされている方も納得できる商品です。  この経緯台は小型軽量であるためにあまり大きく長い
 望遠鏡や重たいものを搭載するのはナンセンスです。(屈折の長いほうは少々辛いかも)

  そこで軽量小型なコンセプトを生かすために、シリーズ後半に今や絶滅したと思われていた76mm口径の
 小口径ニュートン反射をシリーズに加えてきました。 往年の天文ファンなら昔やたらあった渋いスペックの
 反射望遠鏡が現代に蘇ったようなノスタルジーかもしれません。(笑)

  安く安いなりの性能でとりあえず楽しめる方や、ちょっとマニアな方が改造して遊ぶのに
 ナイスな望遠鏡がこのNEW KDS 76-700です。

 経緯台はなかなか高品質ですが、望遠鏡本体のほうは値段相応のもので正直粗も目立ちますが、
 付属アイピースで出せる35倍、70倍の範囲内でうまくバランスする程度の性能は確保
 されていますので初心者にも比較的失敗なく使える望遠鏡に入れていいと思います。
 なおファインダーの出来はおまけ程度ですのでそのつもりでどうぞ。 

 ただし、なんでも用意されて当たり前とか、
 手取り足取りなんて甘い方にはオススメできません。
 ちゃんと自分で入門書を読み、自分で理解しようと努力できる程度のやる気のある方向け。
 同じ「初心者」といっても取組み姿勢で、楽しさの深さや長く続けられるかどうかの
 大きな差が生まれます。 ぜひこれからという方、ちょっとだけ本気でやってみませんか?
 人の言う事やネットの情報だけでなく、実際に自分の経験として失敗も含めての
 趣味の本当の楽しさを感じていただけたら管理人は嬉しく思います。

 
 以下に自己責任でできる方を対象に、この望遠鏡の性能を引き上げる小技をご紹介します。

 ●望遠鏡の性能は口径だけではない事実


  ご存知のようにニュートン式反射の最大のメリットは、屈折望遠鏡のように色収差が出ないことと、
 比較的安く製造しても性能がある程度確保できる事です。 同じ口径なら短焦点な屈折より高倍率時の
 性能が得やすいのが普通です。 しかしながら、望遠鏡の性能=口径 という常識が変に定着したのか
 屈折望遠鏡で大口径なのはいいのですが焦点距離を意識しないのでハマる人が後を絶ちません。

  そう、例え大口径でも屈折望遠鏡(特にアクロマート)で口径に対して焦点距離が短ければ高倍率は
 苦手になるのです。 一部天体望遠鏡では「高倍率=粗悪品」なんて変なイメージが出来上がっていますが
 初心の方が最初に観察する対象は、明るい天体を高倍率で狙う事が多いという事実も考えておかねばなりません。
 最初に見るターゲットとしては、月面、土星、木星、金星、火星、、、、 やっぱり100倍以上かけて楽しみたいところ。
 最大倍率は口径の大体2倍といわれています。 口径80mmなら160倍、口径100mmなら200倍という具合です。

 ただし口径100mmの屈折望遠鏡で200倍に耐えられるものがどのくらいあるかというと、、、
 実は結構難しかったりします。 もちろん見えはしますが物凄い色にじみを納得して使わねばなりませんし
 あまり覗いていて気持ちがいいものではありません。 廉価なものでは色にじみ以前にマトモに結像しない
 大口径短焦点な屈折も沢山あります。 でもその望遠鏡が必ず粗悪という訳でもありません。
 使い方が間違っているだけです。 こうした大口径短焦点な屈折は、RFT(リッチフィールドテレスコ−プ)と
 云われ、比較的低倍率で広い視野を武器に、主に空の暗いところで星雲や星団を楽しもうというのが主目的に
 設計された望遠鏡で、高倍率で惑星などを観察することを狙ってはいないからです。

  ユーザーはよく聞かれるウワサに流されず、自分で情報収集したり考えたりしながら、
 自分にとって心地よい望遠鏡を探す必要があります。 
 初心者というならばより勉強に力を使うべきと考えます。 なんでもタダで情報が手にはいり、誰かが教えてくれる
 などという甘い考えでこの趣味を始めるとロクでもないことになりますので、老婆心からあえてここでご忠告を。

 そんな昨今の事情から、小口径のニュートン反射など見向きもしない方が大半でしょう。
 よくこんな地味なスペックの入門用激安望遠鏡を、ただでさえ風評がキビシイ事になっているケンコーさんは
 出してきたものです。 ある意味賞賛に値するほどに、、、。 ただしこの望遠鏡本体はおそらく中国製でしょう。
 値段ゆえに品質は覚悟しておいてください。 ただ素性は決して悪くない望遠鏡なのでユーザーが手を入れてやれば
 本来の性能を発揮してくれます。 安い望遠鏡を作るには手を抜くほかないです(人件費が一番高いですから)。
 すると手を抜かれた分を自分たちでカバーしてやれば、安くそこそこの性能の望遠鏡を手にできるという寸法ですよ。
 ただし素性の悪い望遠鏡は手を入れてもどうにもなりませんが、この製品はその点大丈夫です。

 しかし、安く高性能な望遠鏡をアタリハズレなく手にいれようなんて虫が良すぎやしませんか。
 高い望遠鏡には高いなりの理由があるのです。  ただし高いままだと多くの人が手を出せない。
 ならば安いなりに安っぽい性能の望遠鏡で間口を広げてくれるような製品もあっていいと私個人は思います。
 ユーザーの傍若無人な要求が昨今、「そこそこの価格でそこそこの性能の望遠鏡」が手に入りにくい状態を
 作り上げてしまったともいえるでしょうね。

 そういう大人の事情が理解できる良識者!?にはオススメしやすい
 このNEW KDS 76-700です。 実際いじってやると中々心地よい性能を発揮してくれますよ。

  ●極悪ファインダーをなんとかする

屈折のほうは国産でやや高い値づけなので、安価に供給する目的もこちらの
76-700反射のほうが担っているのでしょう。12600円なんて凄い値段で売られていましたが、
さすがに一部品質に難アリです。 一番酷いのはファインダー。これはもう絶句もの。



ただここで引き下がるのは真の天文趣味人ではございません。やっつけます。  
開封したらいきなりレンズが曇ってたりしましたが、こんなものは分解して拭けばすむ話です。
ファインダーの前部黒い部分をねじれば外れて中から対物レンズが取り出せます。
なおレンズは出っ張ったほうが表なので、分からなくなったらそのように組み立ててください。
このへんは「星の手帳社 組み立て望遠鏡」を経験してきた方なら楽勝ですね。
ああいう経験は後のこうした時にとても役立ってきますので大切なのではないでしょうか。

もう今の価格帯では正直品質を確保することは困難だと考えています。
特に中国製の場合、検品でかなりの数を不良品としてはじき出し、ダメな製品は人手で
再度分解、組み立てを行うか、廃棄処分しなければ国産の中堅クラスのような安定した品質は
とても維持できません。 
こんな値段で出してきたらこのくらいの手抜きは承知の上で買うくらいの良識
が買い手にも求められてくるでしょうね。 

さて、このファインダーはノーマルのままだとぼやけてマトモに見えません。  
月なんか視野にいれたら彗星のごとく虹色の尾を派手に見せてくれます。 夜景もボヤけるほど。 
でも望遠鏡の基本を押さえている人ならどうすれば改善できるか対策を考えることができるはずです。
よい光学実験にもなりますから教材としてみてみましょう。

安い望遠鏡で手を抜くところは大抵決まっています。

  @つやけし塗装の省略
  Aレンズのコバ塗りの省略
  B遮光絞りの設置の省略
  C材質のグレードダウン

 Cは如何ともし難いものがありますので外すとして、@〜Bは私たちで手を加えて性能アップ
 できるものです。 同じような手法で組み立て望遠鏡も性能アップしている方がいらっしゃいますよ。
 ではこの出来の悪いファインダーで実際にやってみましょう。


   【ファインダー艶消し処理編】



上は接眼部分解の様子。 
ファインダ対物側を回せば視度の調節ができるようになってますが、回し過ぎるとレチクル(十字線)
が中で外れて戻せなくなります、、が、分解するときは回しきって外してしまう。
 戻すときは対物レンズを外して前からレチクルをパイプなどで押さえて回り止めしてねじ込みます。
なぜパイプを筒の中に入れて内側から周り止めをするかというと、普通の棒ですと、細いレチクルが
切れてしまうからです。 作業時にはレチクルに触れないようご注意ください。 
簡単に伸びたり切れたりする細いものです。


ファインダ内部は全く艶消ししてないですから分解したらマスキングして内側に耐熱ブラックや
光学製品用の艶消し塗料をふきつけて艶消しし、レンズのコバ(フチ)も水性つやけしマーカーで
コバ塗りしてコントラストが少しでもマシになるようにします。  
が、、、この程度では激酷なファインダが直るわけもないです。  決め手は次。


   【ファインダー絞り追加編】

NEW KDS 76-700のファインダはノーマルのままだと各種収差のデパートです。  
球面収差だってあるかもしれない。 各種「収差」について興味を持った方は、是非検索エンジンなどで
調べるか、天体望遠鏡自作書などで学んでみてください。 これからの望遠鏡選びの際の目の
付け所が鋭くなってくることウケアイです。 そう、こうした収差は光軸の中心から周辺にいけば行くほど
悪化するのが常です。 そして短焦点であればあるほどそれは酷くなります。 
つまり荒っぽく言ってしまえば鋭角に入ってくる光のほうが性能を維持しやすいといえるでしょう。

例えば色収差を例にとると、焦点距離が短いほど光の通り道は鈍角(つまり巾がひろくばらける)となりますが、
おなじ焦点距離でも口径が小さくなれば鋭角となり、バラける巾を抑制できます。 
カメラレンズで絞りを  使って星像を改善しようとしたり、被写界深度(どこまで深くピントを合わせるか)
を大きくするのも似たような考え方です。  先に口径に対して短焦点な屈折望遠鏡で高倍率が苦手だと
紹介してありましたが、それも同じ理由に起因します。 

ということは、、、口径を絞って小さくし、事実上のF値(焦点距離に対する口径の比)を大きくしてやれば
大幅に改善されます。 せっかく口径があっても損をしてしまうような気がしますが、
そのレンズのオイシイ部分だけを使おうという考えでいきましょう。

これは実際に試すとその効果を体感できて、いい実験教材にもなりますので
もしNEW KDS 76-700をお買い上げの方がいらっしゃったらお試し頂きたいです。

絞りは力のかかる部品でもないので、紙でつくったっていいです。
適当なボール紙や黒画用紙でつくってもいいです。 
丸いリング状のものをファインダの対物レンズを外して(回せば外れます)、押し込むだけ。  
ちょっとだけマトモに作りたい方は、CADで作図してボール紙にプリントアウトし
艶消しマーカーで塗装してやると綺麗にできます。


 写真はその様子です。  フリーのCADはJWCADなどが有名どころです。 
VECTORなどからダウンロードできるソフトです。 使えるといろいろ便利なので
JWCAD入門書など書店で購入してこの際身に付けてはいかがでしょうか。


こうして作った絞りを、対物レンズを外して前から1cm〜3cm(自分でいい位置を調整してね)の
 場所に押し込んで入れると、見るに堪えなかったNEW KDS 76-700のダメダメファインダーも
激変し、実用に堪えるものになります。

 こんな簡単なことで効果絶大ならメーカーも最初からいれておけばよかったのにね。 
樹脂成型だからそういう型にしてもいいし、絞り1コ分の部品で大幅に満足度改善できるから
相当に損を しています。 NEW KDS 76-700ユーザー必須のプチ改造の一つかもしれません。^^  
これでかなり快適度がアップ。

 ●ニュートン反射本体の弱点を改善する

 NEW KDS 76-700は純ニュートン式反射望遠鏡ですから、ミラーがそこそこマトモな出来ならば
 屈折望遠鏡ほどに粗悪になりにくい形式です。 つまり安い望遠鏡ならニュートン反射のほうが
 なんとかなる確率が高いということになります。 使われるミラーのガラス材だって、屈折のように
 高価な光学ガラス(窓ガラスとはちがい均質で屈折率が目的どおりになるよう調整されたガラスです)
 である必要もなく、普通の窓ガラスに使うような青板ガラスだって表面さえきちっと研磨できていれば
 十二分に性能を発揮してくれるから、材質をケチられてもダメージが少ないです。 

 そして焦点距離が比較的長くとってあれば、たとえ放物面鏡ではない、精密球面鏡であっても
 影響は無視できるレベルになってきます。   球面鏡の場合、中央付近は同じ位置にピントが収束しますが
 フチに行けばいくほど同じ位置でピントを結ばなくなる「球面収差」を軽減するために、ミラーのフチほど
 カーブを緩くして同じ位置でピントを結ぶようにしたのが「放物面鏡」です。
 が、中央付近であればどちらも影響は僅差です。  ここでまた焦点距離の話になります。
 同じ口径の球面鏡でも焦点距離が長いミラーと、短いミラーではどちらが「中央付近」を広くとることが
 できるでしょうか? 当然ながら鋭角に光が入ってくる焦点距離が長いほうです。

  つまり、精密球面鏡であっても、ある程度の焦点距離がある望遠鏡ではそれなりに快適な
 性能を維持できるわけです。 そして球面であれば光軸が多少ずれても球芯が変化しないことから
 光軸のずれにも寛大というメリットもあります。

 これが入門用の廉価な反射望遠鏡に精密球面鏡を入れてくる理由の一つと考えられます。
 あまり効果のないところに費用をかけても製品が無駄に高く、初心者にとって使いにくくなっては
 意味がないですからね。

 幸いにしてこのNEW KDS76-700のニュートン反射は、ツッコミどころ満載ながら、素性は悪くないので
 基本部品は割ときっちり製造されています。 主、斜鏡を保持しているセルもきちんとアルミダイカスト製で
 ミラーに余計な圧迫を加えて変形させてしまわないような気配りや、主鏡のほうではミラーを押さえるツメが
 視野を遮って無駄な回折像が出ないような配慮までされているほどです。

 が、、、いろいろツメが甘いところが廉価品(笑)
 改造してやりましょう。


 【接眼部のガタを直す】

  この望遠鏡、軽量に作ることを狙っていますから、接眼部はドロチューブもふくめて樹脂で作られています。
  ここを金属にしてこられると、おそらくこの望遠鏡のバランスはものすごく悪くなりますから、別に樹脂製だからといって
  粗悪という事にもなりません。  例えば同じような狙いでは、ビクセンのポルタUA70LfやミザールのMT-70Rなども
  樹脂製接眼部にして軽量化を図っています。 セットで組む経緯台が快適に使える範囲で重量設計しなければ
  いくら金属製でも使いにくいセットになりますから、これか小型経緯台のセット品では妥当なチョイスでしょう。
  ただし、、、、この望遠鏡についていえば、おそらく他の既存望遠鏡と部品を共用化した事からか、いくつか問題があります。
  接眼部において改善すべき点は主に2つ。

   @ドロチューブのガタの多さ
   Aドロチューブの筒内への突き出しの多さ

  この2点を改善することにより相当に性能を戻すことが可能です。
  @についてはガタが大きければ光軸もへったくれもない事が容易に想像できます。 逆にえばセット品で35倍と70倍程度の
  かなり低倍率に設定してあるあたりは、このくらいのアバウトな品質でも性能が維持できるだけのコストダウンを狙った
  とも言えます。  付属アイピース内ではちゃんと成立していますが、それ以上の倍率を別売のアイピースでかけてやろう
  という時には是非とも対策したい部分です。 ではさっそく見ていきましょう。

  
  接眼部の酷いガタを抑制します。 
  純正だと低倍率なのでかなり酷い ガタでもそれなりに成立しますが勿体無いです。
  分解は簡単。 ピントノブ下部の2つのネジをゆるめてやればこのように分解できます。
  ネジはセルフタップネジなので、もどすときは慎重におなじようにねじ込んでください。

  

  しゅう動面に細工してガタを取ります。 元の状態だと写真のようにラックギヤ と反対側に1列の溝があり、
 そこに植毛シートが貼ってありテンションを かけようとしています。
 が、本当は3点で支持しなければガタが出ますし、 シートの長さがやたら短いので
 縦方向に斜めのガタが出てしまいます。  

  そこで、この元から貼ってある植毛シートの奥に、横並びに2箇所細く切った
 植毛シートを貼り、縦方向のガタを抑制します。  
 そして横方向にも凄いガタがあるので、ここはラックギヤ溝の左右あたりに
 セロテープをシムとして横方向のガタを抑制します。 

 なにせ接眼部が 樹脂ですからセロテープでもなじみが非常にいいわけですよ。
 チープな望遠鏡にはチープな対策で。(笑)  

 これで接眼部のタッチが激変。 脱力せんばかりの安っぽく残念な状態から
  かなり滑らかで高級感のある(とっても程度がアレですが)状態に変わります。
 もうここまででも満足度が最初40点なら70点くらいまでアップしますよ。


 【接眼部の突き出しを減らす】

次に是非とも改善したいのは、合焦位置(ピントあう位置)で内側に大きく飛び出す ドロチューブ。
これはかなり口径を遮蔽してしまいますし、光路状に突起物があるわけですから回折像も発生して
コントラストを悪くさせるものです。 せっかくのニュートン反射が勿体無いことに、、、。


しかも飛び出している部分にはラックギアもないので一杯まで突き出した としても
ドロチューブの支えの足しになる程度で無駄に長いだけです。


ですが樹脂に厚メッキなので、比較的簡単にカットできます。  
ここは問答無用でぶった切ります(笑)!
樹脂で一体整形され厚メッキが施されたドロチューブ、樹脂ながら出来自体は
悪くない整形です。 上のガタ調整の改造で動きが滑らかになった事からもそのあたりが
感じられます。  このラックギヤギリギリのところでカットしてしまいましょう。
まっすぐ切れるようにするのと、無駄な傷を入れてしまわないようにビニールテープで
一周の目印をつけて、のこぎりで切り詰めます。 切った切り口には艶消し黒の
ペイントマーカーなどで光らないようにしておくとグッドです。
なおこのドロチューブ内部の艶消しはなかなか丁寧にされていました。
カットしたら元どおりに組み立ててここは完了。

これも見え味に大幅な効果が出る改造です。


 【斜鏡の遮蔽を改善する】

つづきまして、許せないのは斜鏡を保持しているツメ。  
こんなに視野を削ってしまいます。


 これは斜鏡の固定方法を変更する改造です。 
ニュートン反射の光軸調整が出来ない なんてヌルい方は真似しないでね。 
初心者でもちゃんと本読んでいる方が 努力すれば楽勝な世界ではありますが。  
ここからの改造は自分で光軸調整ができない場合無理ですが、折角の安いニュートン反射ですし
いずれ必要になる光軸調整の練習をこれでやってもいいのではないでしょうか。
 なお調整方法については入門書などでかかれていますから、あえてここでは説明省略します。
ちゃんと本買って勉強してくださいね。

 斜鏡を取り出すには、鏡筒の外側にある3箇所のローレットネジをゆるめれば下の図
のようにスパイダーごと取り外せます。(右側) 組み立てるときには3箇所のネジで
斜鏡が所定の位置になるよう調整しながら行います。 



斜鏡は金属製の斜鏡セルに上からツメにて押さえこんで固定されています。
このツメを外して(ネジ結構固いので注意してね)斜鏡背面のツメ付近に ゴム系接着剤(G17とか)
を点づけして接着して固定する方法に変更します。
強くひっぱればはがせるけどキチッと固定できるよう加減してください。

これで酷い遮蔽も改善できます。 ほんと、、、もったいない。
後は元通りに組み立てつつ、セオリーどおりに光軸を調整すれば完成!

 調整後再び使ってみると、、、、、元と全然見え方が違いますよ(感涙)
懸命な入門者はすでにご存知かと思いますが、気象状況によってはあまりしっかり惑星が
見えない事もあります。 よく冬場に望遠鏡を買う方が多いのですが、冬場はとくに良くないです。
日本の上空には冷たい空気が通るようになっているので、暖かい空気との間で光の屈折が
起こり、惑星などユラユラとして細かいところまで見えません。 これは高額な高性能な望遠鏡を
もってしても同じです。  そして小口径ですので比較的寛大なのですが、反射望遠鏡は
温度順応していないと特に倍率を上げたときに像がボヤけやすい傾向にあります。
ただし殆どの場合、こうした筒内気流よりも、空のほうの大気のゆらめきの悪さ(シーイングの悪さ)
が原因です。 星がまたたくような日はダメですよ。 どちらかというと夏場の星がじっとしているような
日には大気がゆらがず、倍率をかけたとき嬉しくなるほど細部まで見えたりします。

 冬場は高倍率がかけにくい事も覚えておいてください。
たまたま冬場にこうした望遠鏡を買って、同じような口径の望遠鏡より見えないという声が出ますが
同じ空のコンディションでなければ比較できないという事も覚えておくとと良いでしょう。
冬場でも1日、あるいは時間によってまったく見え方が変わる世界なのですから。


【NEW KDS経緯台のチューニング】(2011.2.20追加。図、写真は後日追加予定)

  ついでながら重要なのが、架台の調整です。 個体差もありましょうが、NEW KDS経緯台も微動にガタがあると
  観察しにくかったり、高度軸の与圧が不適切だと、望遠鏡を上に向けたときにバランスを崩して「首カックン」現象
  が発生してしまいます。 以下に調整ポイントをご紹介します。
 @各軸のウォームギヤのバックラッシュ(アソビ)調整
 A各軸のフリクション調整ネジの固定
 B三脚開き止めにポルタと同じ三角板を使う

 @ウォームギヤのバックラッシュ調整

   NEW KDS経緯台はL型の部品で水平、高度軸が連結されていますので、この部品を外すことで
  各々の軸に分離できます。 ただし、この経緯台の調整で使うレンチが
  インチ、ミリ、トルクス混在なのでご注意ください。
  分離すると隠れていた部分に、ウォームホイルにウォームシャフトの当てかたを調整する
  小さなセットビスがあるのが分かります。 このセットビスの突き出しでアソビを調整します。
  ガタが取れて、かつ動きがあまり堅くならない部分を丹念に探して固定してください。
  きっちり調整すると、経緯台全体のガッチリ感が雲泥の差です。


 Aフリクション調整ネジの固定

  特に高度軸側で重要です。 説明書にもあるように、堅さを調整するノブを外すと、4箇所の
  フリクション調整用皿ビスが出てきます。 この固定方法です。
  たいしたことはありませんが、フリクション調整ネジにネジロック剤を塗布して絞めることが大切です。
  初期の堅さをこの4箇所のネジで決めるのですが、その後ノブをつけなおして、ノブで堅さを増し締め
  しようとすると、内部のネジにかかっていた与圧がなくなり、ネジがゆるんでしまいます。
  ノブを閉めるとなぜか逆にゆるんでしまう、、、という方はこの現象に陥っています。
  しかし、内部のネジをネジロックで固定してあれば、ノブで増し締めしても内部のネジは元の位置の
  ままで止まっていますので、再びノブをゆるめても動いてしまうことがありません。
  ネジロック剤を塗布し、これから主に使う望遠鏡で首カックンが起こらない程度の堅さに
  念入りに調整しておけば相当に快適に使えます。 簡単ながらかなり重要な小技だと思います。

B三脚開き止めに三角板を使う

 実はNEW KDSの三脚、ポルタ他のビクセン製品と高い互換性があります。
 三脚架台の突起も、長さが短いのでこの三脚にGP赤道儀や三脚アダプターをかませた
 ポルタ経緯台が載ったり、HF経緯台が載ったりする事に気づいている方もおられるかと。
 (なお、逆は無理です。 たとえばビクセンのAL三脚にNEW KDS経緯台をつけようとすると
  突起が長すぎてアダプターが当たります。 この場合NEW KDS経緯台の三脚アダプターの
  溝の部分を削って上に貫通させることで相互乗り入れが可能になります)
 ということは、、、もちろん三脚の開き止めだってポルタと同じ形状です。
 そう、、、そのままポルタで使えるあの小技が使えるわけです。
 
   ■ビクセン ポルタ経緯台 簡単強化法

 三脚もポルタの良くない部分まで忠実に(笑)再現されていて、三脚架台との付け根の部分が
 一時期のポルタと同じくNEW KDS経緯台は樹脂になってます。 もっとも軽量なのでこれはこれで
 好都合な人もいるかもしれませんが。 このタイプの三脚は開き止めの依存度が高いので
 三角板の追加が物凄く効果があります。是非お試しを。

 【オススメ品コーナー】  

 ニュートン反射の光軸調整の方法はこちらの入門書に簡易な方法が図解にて説明されています。
 入門書にある程度の作業ですからね、プラモデルが作れるくらいの人なら楽勝です。
 なお、この本にはないですが、最後は倍率を上げて明るい恒星を中央にいれ(中央でないとダメです)
 ピントを前と後にそれぞれずらしてドーナツ状の像を観察しながら同心円になるよう追い込めば
 ばっちり。 この作業をするときは高倍率でできるだけ正確に中央付近で調整するのがミソです。


   この改造に限らず、手持ちのアイピースや双眼鏡など分解してコバ塗りしたり、自分で艶消し処理をするのに
  管理人お気に入りなのが 「アサヒペン カラーパレット 水性マーカー マットブラック」。
  実に綺麗に艶消しになり、しかもとても扱いやすくオススメです。 レンズなどではみだしたら、エタノールで
  落せますから安心して使えます。 DIY派は望遠鏡使いな方、オススメ品ですよ。

【アサヒペン】カラーパレット 水性マーカー マットブラック ■ツヤ消し ■水性インキ

【アサヒペン】カラーパレット 水性マーカー マットブラック ■ツヤ消し ■水性インキ


 ドロチューブのカットなどには薄刃のカミソリノコがいいですが、模型用のものが最近やたら高くて
 いいものが無いです。 以前はエグザクトとかから使いやすいものが出ていたのですが、、、
 定番のピラニア鋸などのこちらが使えそうです。


【ピラニアツール】 ピラニア鋸 (PS-1)

【ピラニアツール】 ピラニア鋸 (PS-1)

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